■補正予算 また、また否決 …修正案も否決
【原案】賛成 改革連合(武井、篠原、五十嵐、西岡)、自民(伊藤、露口)
公明(小尾、鈴木、和田)
反対 市民自治こがねい(漢人)、民主(渡辺、斉藤、高木)、
共産(井上、森戸、板倉、関根)
市民の党(青木、野見山、稲垣)、 生活者ネット(小山、藤村)
退席 湧く湧く環境クラブ(若竹)
【修正案】賛成 市民自治こがねい(漢人)、民主(渡辺、斉藤、高木)、
市民の党(青木、野見山、稲垣)、生活者ネット(小山、藤村)
反対 改革連合(武井、篠原、五十嵐、西岡)、自民(伊藤、露口)
公明(小尾、鈴木、和田) 、共産(井上、森戸、板倉、関根)
退席 湧く湧く環境クラブ(若竹)
否決の主な理由は、市退職職員の再任用人件費です。
私は「高齢者の継続雇用制度には賛成だけど、
市役所内の正職員と非常勤職員の格差是正が優先課題」
と反対しました(反対討論参照−本文最後に掲載)。
共産党さんは再任用には賛成だけど、不況対策予算がない、
再開発関係での議会無視の予算流用を続ける市長の提案姿勢に問題あり
などの理由で反対とのこと。
再任用反対を主張してきた自民党の露口議員が
「半年試してから再評価する」と討論をして賛成されましたが…???
民主党、市民の党、生活者ネットさんから
再任用人件費を削除し、
学校図書費などを増額する修正案が提案されましたが、
共産党さんはこれにも反対で、こちらも否決。
来週、臨時議会です。
はけの道の中村研一美術館の寄付受け入れに向けた調査委託料や、
子育て情報誌「のびのびこがねいっ子」増刷、
小金井公園プール屋根材落下の点検と改修設計委託料などなどの
再任用以外の予算にはほぼみなさん賛成のようでした。
■前原小の30年前の欠陥工事の改築工事経費は可決。
この夏、30年前の増築校舎の耐震補強工事をしようとしたら、
20本の柱の基礎と本体部分で大幅にずれていること等々が発覚したもの。
専門家による「こんなのとんでもない!修理は不可能。改築すべし!」
との診断報告書も出ました。
それでも「ちゃんとやった」と主張する施行業者の対応も信じられませんが、
当時の市の工事管理体制や建築確認に係わる
諸手続のずさんさも指摘されました。
■住民基本台帳閲覧料大幅値上げ(約50倍)
第3者による大量閲覧を抑制し市民のプライバシーを守るため
漢人が3月、6月の一般質問で求めた改正です。全員賛成で可決。
■議会無視の市長の予算流用は○か×か?
監査請求を議決しました。
賛成 市民自治こがねい(漢人)、民主(渡辺、斉藤、高木)、
共産(井上、森戸、板倉、関根)、市民の党(青木、野見山、稲垣)、
生活者ネット(小山、藤村)
反対 改革連合(武井、篠原、五十嵐、西岡)、公明(小尾、鈴木、和田)
自民(伊藤、露口)、湧く湧く環境クラブ(若竹)
市議会は3月議会で補正予算を否決。
臨時会で再提案された武蔵小金井駅南口再開発関係の予算を
削除したものを可決しました。
ところが5月、稲葉市長は予算を勝手に他から流用して
その再開発関係業務の契約をしてしまいました!
前武蔵村山市長の病院誘致をめぐる同じような予算流用は
東京地裁で違法判決を受けています。
9月議会では、稲葉市長の流用も違法ではないかと、
事務の監査を求める議決をしました。
住民監査請求も検討中です。
住民監査請求が棄却されると住民訴訟ができます。
■2001年度の決算上程
11月の決算特別委員会(議長以外全員が委員になります)で審査。
■JR高架化に合わせて、武蔵小金井駅東口改札!?
東口改札には、工事費3億円、維持に年間5000万円必要なため、
市はずっと「できない」と言ってきました。
ところが市長は7月にJRに対して
東口改札設置の要望書を出していたことが分かりました。
駅周辺整備調査特別委員会の篠原委員長も「知らなかった」とのこと。
開設を求める陳情書も出され、
議会としての判断が求められることになります。
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●補正予算に対する修正案に賛成し、原案に反対する討論
議案第41号 一般会計補正予算(第3回)に対する修正案に賛成し、原案に反対する立場からの討論を行います。
今回の一般会計補正予算第3回については、再任用職員の人件費を除いてはおおむね賛成できる内容です。
寄付の申し出を受けている中村研一美術館についての調査委託料は、小金井市がこの美術館をどのように地域やまちづくりに生かしていけるかを探る大切な予算です。美術館としてだけではない、野川、武蔵野公園、国分寺崖線という小金井の重要な自然環境の中にあるという立地条件を生かした空間としての活用を十分に検討することが必要です。
子育て情報誌「のびのびこがねいっ子」の増刷も、大変好評なこの冊子をもっとたくさんの、情報を必要としている若い親たちの元に届けるために、子どもが育つ場をもっと豊かにしていくために、そして子どもを巡る悲しい事件が起こらないためにも、有効な取り組みだと考えます。
他にも公園の遊具修繕料、前原学童保育所の床の傾きに関する建物調査委託料、貫井北町中間処理場の運転管理委託料、急増する大腸ガン検診に対応する委託料、総合体育館プール天井調査点検・改修設計委託料などなど、いずれも緊急な措置を要する予算です。
しかし、今回の補正予算では、3月の第1回定例議会で条例が可決し、予算が否決され導入されていなかった再任用職員のための人件費が計上されました。そして、その人件費を削って、代わりに学校図書購入費とまちづくり条例の学習会講師料を増額した修正案が提案されました。
私は再任用という高齢者の継続雇用制度そのものには賛成ですが、小金井市の現状での導入には反対です。しかし、再任用予算を削って市民サービスに当てるという短絡的な考え方にも賛成できません。
市役所として市民サービスを維持・向上させることは重要なことです。けれども人が働いて基本的な生活を維持するというのは人権に関わる非常に重要なことです。今、小金井市役所が早期に解決しなければならない課題として、同じ職場の中にこの基本的な人権が十二分に保障された正規常勤職員約800人と、大変不安定な状態におかれた非常勤職員約250人が混在しているということがあります。
もちろんこれは小金井市役所がとりわけ特殊なのではなく、ほんの一握りの常勤労働者と大多数の不安定なパート・派遣・アルバイトに分断されつつある社会の縮図です。 働く意欲と力のある人が安定して均等待遇で働き続け、生活を支えていくことが保障される社会を作っていくために、市役所は率先してそのモデルを示していく役割を持っているはずです。
そのモデルの一つとして、3月の再任用条例への反対討論の中の一部を再度述べます。
『右肩上がりの時代が終わり、小金井市の財政規模も今後、一定化あるいは縮小化していくと予想されるなか、人件費の構成比を増やしていくことはできないだろうと考えます。今後の課題としては、一定年齢での昇給停止や残業規制、フレックスタイム制の導入、また、一定の法的整備を待たねばなりませんが、常勤職員枠への短時間雇用の導入と、非常勤職員の短時間公務員化を図ることによるワークシェアリングが必要です。
一方、職員の年齢構成のバランスを、60〜65才の高齢者枠をどの程度に設定するかも含め、どう調整するのか、常勤職員だけでなく、非常勤職員も合わせて考える必要があります。
稲葉市長の進めようとしている第2次行財政改革で掲げられているのは、常勤職員の働き方はそのままでの人員削減や賃金カットと、不安定な非常勤職員の増加あるいは労働条件のよくない民間への委託を組み合わせた従来型のやり方です。さらに非常勤職員の中には厚遇の再任用職員という身分をあらたに導入するという、働く人同士を、そして市役所職員と市民を分断し、その溝を一層深めることになりかねないものです。
現在の非常勤職員の枠を維持拡大し、従来通り、職員の再雇用と公募により必要な人材を配置し、その非常勤職員全体の労働条件の向上に向けて自治体としての努力や国に対して法整備を求めていくという方法をとるべきです。地方公務員法が適用され、一定の権限を行使できる職員配置が必要であれば、再雇用も含む一定時間以上勤務し、経験を有する非常勤職員については地方公務員法17条の任用による一般職非常勤とする条例改正を行えば、再任用職員と同じ責任を持つ仕事をしてもらうことができます。』
以上です。
17条任用の一般職非常勤については、旧自治省がこれを認める見解を出しておりますし、実際に導入している自治体も複数あります。さらの適正な労働環境や事業の質を維持できるような公契約制度を整えることを前提にすれば良質なNPOや民間への事業委託も柔軟に進められるものと考えます。
最も基本となる市民サービスは、「働く意欲と力のある人が安定して均等待遇で働き続け、生活を支えていくことが保障される社会」の実現に向けて取り組むことです。目の前のピカピカの本と比べると成果はとてもわかりにくいですが、重要なことです。
市長に対しては、再度、民間のモデルとなるような市役所の職員全体の働き方、雇用のあり方を再検討することを強く求めます。
今回の修正案は、市長の予算執行権を侵さない範囲での提案として一時的な備品整備や講師料について増額していることを理解します。予算審議の中で担当課等との調整が不十分なことが指摘されており、これは望ましいことではありませんが、予算内容から判断して大きな支障の生じるものではないと思われます。
また、市民サービスの増額を行うにしてもその優先順位の決定は本来もっと慎重に行うべきであり、全額を予備費とするべきではなかったかという意見も持っていることを述べておきます。
以上の理由から補正予算(第3回)に対する修正案に賛成し、原案に反対します。